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×月×日 レシピ再考

 料理研究家平野由希子氏のエッセイ『料理研究家のつくりかた』を読む。平野氏は、我が家でも毎日のようにお世話になっている、フランス製の鋳物ホーロー鍋ル・クルーゼのレシピで評判になった。この本によると、彼女は毎月100を超えるレシピを考えるらしい。その過程が一部語られているのだが、たとえば、定番のポテトサラダ。にんじんと、きゅうりと、ピンクのハムが入った普通のポテトサラダを、悪い組み合わせではないけど、とりたてて良くもないと彼女は言う。そしてもし自分が作るのならどうするか・・・というところから、レシピ作りは始まる、とある。

 ふむふむ、なるほど。コンサートの企画も同じようなものだ。巷には、いろんなコンサートが溢れているけれど、プログラム構成は似たり寄ったりのものが多いし、なんとなくそんなものだと思っている。だけど、それをもっととびっきりの会に格上げするには、ひとつひとつの素材を吟味していくことから始める必要がある。演奏そのものだけではない。フライヤーのデザインから、当日配布されるパンフレットの内容に至るまで。ちょっと視点を変えることによって、よりよくなる要素はふんだんにある(と思われる)。勉強になった。


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